井上尚弥&八重樫東、熱戦ヒヤヒヤ防衛
2016.05.10 Tuesday
5月8日に、井上尚弥と八重樫東のダブル世界タイトルマッチが開催されましたね。
みきもりも、テレビ観戦してました。(^^
どちらも白熱した戦いぶりでしたが、内容にはやや不満と不安が残る結果だったでしょうか。
◆八重樫東、挑戦者にペースを奪われ苦しい展開
IBF世界ライトフライ級タイトルマッチの八重樫東。
挑戦者はメキシコの26歳マルティン・テクアペトラ。
22戦13勝(10KO)6敗3分という戦績です。
ランキングは11位というあたり、初防衛戦には容易い相手とのマッチメイク、と見るべきでしょう。
ですが、蓋を開けてみれば打ち合いの大熱戦でしたね。
特に、八重樫東の立ち上がりが硬かった!
ガッチガチでほっとんど動けてなかったですね。
いい時の八重樫東は、素早くインに潜り込んで細かいパンチをコツコツっと当ててスッと下がる出入りの激しいボクシングスタイルですが。
リーチの長いテクアペトラのジャブをまともに貰うシーンが何度も有りましたね。
1Rから、早くも八重樫の左まぶたが真っ赤に腫れ始める展開でした。
2Rも挑戦者テクアペトラのペース。
あー、これはまずいなと思いましたよね。
ただ、3R終盤に八重樫が放ったボディで、少し流れが変わった気がします。
1〜3Rはテクアペトラにつけたいですが、4Rは明確に八重樫がペースを引き寄せたラウンドだったんではないでしょうか。
ここら辺りが、3度も世界タイトルを取ったベテランの味ですね。
ボディ打ちに活路を見出し、7Rには八重樫お得意の出入りの激しいボクシングを見せてくれました。
ただこの7Rも、終盤に足が止まってテクアペトラに打ち込まれる場面がありましたね。
そこまでの蓄積されたダメージの影響か、それともそもそも調子が良くなかったか。
そんな印象を受けました。
それでも我慢強く戦い続けていたと思います。
8RにはテクアペトラがKOを狙ったか、大振りパンチになったところを八重樫が上手く返していた気がします。
実況アナは盛んに、「スタミナに自信のある挑戦者!」と言っていましたが、この辺りからテクアペトラの動きが緩慢になり始めていましたね。
本当に強い相手とやったことがない、もしくはその場合は早く倒されていた、ということでしょう。
八重樫の両まぶたはいつもの腫れ癖で真っ赤に膨らんでいましたが、テクアペトラはダウンを奪えるようなパンチは打ててなかった用に思います。
10Rでちょっと様子見をしたか、八重樫がペースダウン。
しかし11Rと12Rはもう接近してのドツキ合いでしたね。
11Rにはテクアペトラがフラつくシーンもあり、八重樫東の苦しい展開の中での粘り強さという真骨頂が発揮された終盤だったと思います。
結局判定にもつれこみ、113−115、115−113、116−113の2−1で八重樫の勝利。
みきもりの採点は、ややホームタウンデシジョン込みでの116−112で八重樫の勝利としていました。
審判の採点と判定結果に関してはまあ、妥当だと思いますね。
試合後の顔だけ見ると、フルマークでテクアペトラですがw
敵地でなら手数でペースを握っていたテクアペトラ3−0勝利で、中立地ならドローってとこでしょう。
でも、八重樫が腰を落とすようなヤバイパンチは無く、逆にテクアペトラがフラフラっと下がるシーンが3回ほどありましたから。
テクアペトラにパンチ力がなく、試合を決めきる攻め手に欠いた、ということもあると思います。
まー、それにしても、八重樫の序盤の硬さと全体的な身体の重さが苦戦の原因のように思いますね。
ランキングと戦績から、もっとスカッとした勝ち方をすべきでしたが、そうした部分がかえって変なプレッシャーになっていたのでは無いかと思います。
序盤から7Rのような動きでやれていると良かったですが。
ロマゴンに負けたあと、ライトフライ級に落とした再起戦でもこうしたフワッとした入りをしてしまった試合がありましたよね。
八重樫はどちらかというと、気持ちで戦うファイターっぽいので、そうした部分で何かが影響していたのかな、って気がします。
でもまあ、八重樫らしく泥臭く勇敢に打ち合った試合でしたから。
結果と内容はともかく、胸を張ってもらいたいですね。
そろそろキャリアも終わりが近づいていると思いますし、次に向けてしっかり準備をしてもらいたいところです。
◆好調すぎて拳を痛めた、井上尚弥
試合中、何度も実況と解説者が仰ってましたが、やはり、という感じですね。
それでも12Rにダウンを奪っちゃうんですから、「どうなってんだ!?」ってのが本音ですw
試合の入りは……絶好調すぎたか、かなり飛ばしてましたよね。
3R制のキックボクシングの試合かと思うぐらい飛ばし気味の立ち上がりだったので、みきもりとしては「これは試合の終盤、ヤバくなるんじゃないの?」と心配しましたが……。
挑戦者のダビド・カルモナは25歳メキシコ。
戦績は27戦20勝(8KO)2敗5分。
年末に井上が試合をしたパレナスと暫定王者決定戦を行い、ドローに終わった戦績の持ち主です。
井上は2戦連続で指名挑戦者戦なんですよねw
そんな相手ですから。
いきなり飛ばしすぎて大丈夫か、ってことばかり心配しながら見てましたね。
ただ、それは井上陣営の作戦のひとつでもあったようで、1〜3Rまではカルモナにほとんどボクシングをさせませんでしたよね。
術中にハマったカルモナは、ちょっとビビって手が出なかった印象です。
でも4Rからちょっとずつ対応してきましたよね。
2Rで早くも、井上が右拳を痛めていたってことですから、結果的には遅いくらいですけどw
最後までそのことに気づかなかったそうですし。
4Rで「あれれ? パンチもらい始めてやばくね」と思ったのも束の間、5Rでは井上の左がクリーンヒットして、カルモナが防戦一方になりましたね。
ただ、6Rでは井上が疲れたか、カルモナが上手く詰めていました。
ここでみきもりは初めて、カルモナにつけています。
このあとも、7Rこそ井上が上手いアウトボクシングで左ジャブをめっちゃ当ててましたが、8R・9Rはカルモナが手数をまとめて盛り返しましたよね。
あーやばい、これやばいぞ〜、と思ったんですけどねぇ。
10Rに井上が7Rぐらいのいい動きを見せてクリーンヒット。
カルモナの動きが目に見えて落ちてきましたよね。
ちょっと雑になったところもありますが、その流れのまま12Rにカルモナからダウンを奪いました。
嫌倒れ気味でしたが、確かに右ストレートがまともにヒットしていて、一拍遅れて倒れこんだ感じです。
この辺はもう、ホントに凄い、の一言です。
井上って、12Rまで戦うのは今回が初なんですが、まだまだ元気でしたよね。
そのことが非常に驚きです。
全体的には、絶好調すぎて雑になったのと、拳を痛めて雑になったのと、2つの雑さが判定までもつれ込んだ要因だと思います。
実力的には相当の差がある試合でしたね。
でも多くの観戦者はきっと、モヤモヤしてただろうなw
判定は118−109、118−109、116−111の3−0で井上勝利でした。
この採点結果を見ても、一方的だった、と言えると思います。
みきもり採点は117−110でしたけどね。
3つぐらいはカルモナに付けてあげてもいいラウンドがあったと思います。
まあともかくは、井上尚弥にとっては大きな課題が浮き彫りになったと思います。
なんと言っても打ち方が雑になりすぎたこと。
そのことが、両拳を痛める原因にもなったと思いますね。
序盤からあんなに飛ばさずに、7Rぐらい動いてジャブジャブって展開であれば、もっと早くにダウンが奪えたと思いますね。
ダウンって、パレナスからダウンを奪った時のように、コンパクトにポンポンっと打った時のほうが取れるんですよね。
ナルバエス戦でも、思い切ってドッコーンってわけじゃなくて、コンパクトにゴツッって感じでしたし。
雑に大きく振り回すのだけはやめた方がいいと思います。
両拳の痛み具合次第では、また1年近くブランクが出来ちゃうんじゃないでしょうか。
そこのところが非常に心配です。
でもまあ、焦っちゃいけません。
あの、若き天才スピードスターと呼ばれた西岡利晃でさえ、2度のアキレス腱断裂を乗り越えて、超絶カウンターからのモンスターレフトを引っさげて、三十路にして王者へ上り詰めましたからね。
治療が長引くようなら、タイトルを返上してじっくり身体を鍛えるべきです。
少し身体を大きくして、バンタムかスーパーバンタムまで上げるのもいいと思いますね。
力よりもスピード勝負のスタイルで戦える環境に身を置くことで、より試合運びの上手さが研ぎ澄まされていくのではないか、とみきもりは勝手に期待しています。
この歳で稀に見る逸材ですから。
無理だけはしないようにしてもらいたいですね。
首を長くして、井上尚弥の次戦を待ちたいと思います。
……とか言ってたら、こんな記事がwww
八重樫は左肩ですか。
やっぱり、って感じですね。
井上の拳は軽症らしいです。
まあ、年内にやれるのであればそれが一番ですね。
ロマゴン戦が実現できると、いいですね〜。